デイヴィッド・キャラダインバンコクで客死。


と、言っても彼の大ファンという訳ではなくて、ただ手元にタイ版の「KILL BILL」のVCDがあったのを思いだしただけだ。
キルビルのVCDのジャケット。
KILL BILL」の時の下に、タイ文字で「サムライ天使」と書いてある。


VCD=VideoCDは日本では見かけない、マイナーなメディアだが、タイではまだまだメジャーに流通している。
DVDよりも画質は圧倒的に悪い。
3倍モードで録画したビデオの画像程度。
1枚に60分くらい収録できるので、大概の映画は2枚組。
音声は吹き替え。


主役は太い男らしい声、娘役は過剰にブリブリした声だったりして、日本のアニメとは別の形で「吹き替えの世界」を構築。
それはそれで面白いが、好き嫌いはまた別の話。


今回「KILL BILL」のジャケットを見直して初めて気が付いたが、タイ語で「サムライ天使」と書いてある。
サムライは英語同様にタイ語でも通用する日本語のひとつで、時代劇は「サムライ映画」と呼ばれている。
1枚100円以下のワゴンセールのVCDをあさっていると、ミフネやカツシンのお姿を見いだすこともしばしばだったことを思いだす。


私がタイに行った最初の頃、中古のバイクを探して街のバイク屋をのぞいていたら、バイク屋のオーナーらしい爺さんが話しかけてきた。
「あんた、日本人か?」
「そうだ」
「そうか、そうか。日本人はいいなぁ。シライやミフネは良かったなぁ」
爺さんは英語みたいな言葉と身振りで喋っていたが、最初はなんのことか分からなかった。
「ミフネ」は三船敏郎、「シライ」がボクサー白井義男の事だと気付くまでの10秒以上の時間、随分汗をかいた。


ところでデイヴィッド・キャラダインの遺族が、新聞に彼の遺体の写真が掲載された件で、激怒しているという。
新聞の一面に死人…。


遺族の気持ちも分からないでもない。
が、なぜかタイの新聞の一面には、事故、事件を問わず、死人の写真が必ず掲載されているので、そういう意味では、さほど驚くにはあたらない事件ではある。
最近は一応、傷口や銃痕などにはモザイク処理が施されているが、それでも必ず掲載されている。
「なんで?」とタイ人に聞いても、誰も答えられない。


世の中には需要がなくても供給されるものもある、ということらしい。
このブログと一緒だ。